【抗血栓薬、術前の休薬期間もチェック!】手術と抗血栓療法?【手術室看護師のお勉強】

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血液サラサラの内服患者さんがいますが、抗血栓薬の区別などイマイチわかりません…

周術期は血栓予防はマスト!抗血栓療法は術前休薬にも関わってくるから知っておきたいね!

この記事を書いた人
麻酔の看護師ぱん

手術室・病棟看護師を経て、大学院で麻酔について学ぶ。
現在はベテランの周麻酔期看護師として日々麻酔業務を担当。

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もくじ

血栓について

1. 血栓はどうやってできる?

血栓症は大きく2つに分けられる!

動脈性血栓
静脈性血栓

血栓の三大因子:Virchow(ウィルヒョウ)の3徴
1)血流の停滞、2)血管壁の損傷、3)血液が凝固しやすい状態(凝固機能の亢進)になっていると起こりやすい!

なんで 2)血管壁の損傷 で血栓ができるの?

血管の壁が破れると、血小板が血管の傷を塞いでいくよ!
でも、それだけでは不安定なので凝固因子(タンパク質で作られたフィブリンの網)が補強してくれるんだ!!

2. 抗血栓療法とは

抗血栓療法には

・抗血小板療法
・抗凝固療法 

があるよ!

適応は?

抗血小板療法

脳梗塞、心筋梗塞、末梢動脈血栓症などの動脈血栓症の予防

抗凝固療法

深部静脈血栓、肺塞栓症、心房細動等に伴う脳塞栓などの静脈血栓症の予防

抗血栓薬の休薬

1. 休薬の基本的な考え方

1) 抗血小板薬➡︎大きく2つに分類!

★point

どちらのタイプかで術前の休薬期間が変わる!

①不可逆的
影響を受けた血小板が新しい血小板と入れ替わるまで作用が持続
血小板の寿命は10日ほどなので、7-10日の休薬が必要

ex) アスピリン®︎、プラビックス®︎など

②可逆的
薬剤が代謝、血中から消失すれば作用も消失
代謝されれば薬効消失されるので数日で効果消失

ex) アンプラーグ®︎、プレタール®︎など

2) 抗凝固薬

不可逆的に作用する薬剤がないため抗血小板薬より休薬期間は短い

ブリッジ療法する時としない時の違いは?

ヘパリンブリッジとは:ワルファリンやDOACなどの経口抗凝固薬を3-5日前休薬しヘパリン持続投与に切り替えること

機械弁挿入者、心房細動、深部静脈血栓症などの血栓症高リスク群を除き、リスクの低い患者には行わないと推奨されている。

ヘパリン代替療法の有無で合併症に差がないかみた研究で、血栓塞栓症の発生に差はみられなかった。一方,出血イベントはヘパリン代替療法群で有意に高率で発生したらしい

ちなみに、

未分画ヘパリンの半減期45~60 分
通常は、手術の6時間前に中止すれば凝固能は回復
➡︎術当日の朝に採血(凝固)で値を確認
 脊麻、Epi、神経ブロック実施の最終判断を行う

2. 休薬期間

抗血栓薬の術前の休薬期間ってマジで覚えられない…
しかも何見ればいいの?

術前に抗血栓療法をしている場合、周術期の出血リスクはもちろん、Epiや神経ブロックの実施にも影響する!
日本ペインクリニック学会・日本麻酔科学会・日本区域麻酔学会合同の「抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロックガイドライン」を参考にまとめたよ!

手技の出血リスクの応じて休薬期間を設定することが望ましいとされている!

a:硬膜外および脊髄くも膜下穿刺では,血小板数が 10.0×104 / μl 以上であることが望ましい.8.0×104 /μl 未満での硬膜外穿刺,5.0×104 / μl 未満での脊髄くも膜下穿刺は推奨されない


b:出血傾向のエピソード,重度の肝機能障害,肝硬変,慢性腎臓病,重症の大動脈弁狭窄症などを有する患者は,高出血リスク群であることから出血素因として取り扱う.ま た,先天性または後天性の凝固異常が疑われ,APTT(activated partial thromboplastin time)や PT(prothrombin time)等の凝固検査に異常値を認める場合には,高リスク 群や中リスク群へのブロック手技を行わないことが推奨される.


c:深部神経ブロックは血小板数が10.0×104 /μl以上で施行されることが推奨されるが、 血小板数低下時における穿刺手技の安全性は不明である.

抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロック ガイドラインより引用

実際の休薬期間をみていこう!

今回はガイドラインを参考に紹介しましたが
必ず施設の基準を確認・従ってくださいね!

参考文献

  1. 日本ペインクリニック学会・日本麻酔科学会・日本区域麻酔学会 合同 の「抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロックガイドラインhttps://anesth.or.jp/files/pdf/guideline_kouketsusen.pdf
  2. 讃岐 美智義, 内田 整, 森本 康裕. 麻酔科臨床SUMノート. 第1版. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2018. 
  3. Douketis JD, Spyropoulos AC, Spencer FA, et al : Perioperative manage- ment of antithrombotic therapy.(American College of Chest Physicians Evidence-Based Clinical Practice Guidelines : Antithrombotic therapy and prevention of thrombosis, 9th ed.)CHEST 2012 ; 141(Suppl): e326S- e350S
この記事を書いた人
麻酔の看護師ぱん

手術室・病棟看護師を経て、大学院で麻酔について学ぶ。
現在はベテランの周麻酔期看護師として日々麻酔業務を担当。

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