【ボルベン、ソルラクト…】手術中に点滴をするのはなんで?輸液の種類って?【手術室看護師のお勉強】

点滴の種類…いろいろあってよく分からない…

今回は、輸液の種類や輸液管理についてお勉強しました。

スライドして見てね👍

※ヘスパンダ―は、在庫がなくなり次第、販売を中止(22年4月)

もくじ

術中輸液の目的

そもそも、手術の時に点滴をするのはなんで?

術中輸液の目的

  1. 適切な酸素供給
    1. 循環血液量の保持
    2. 心拍出量と酸素化の保持
  2. 血清電解質・血糖の保持

周術期に使用される輸液

さまざまな輸液があるけど…。
手術中の輸液は、体液喪失の改善が主💡
だから、細胞外液補充液がよく使われるよ!

開始液(1号液)

ソリタT1、KN1Aなど。

  • カリウムが入っていないので、腎機能障害の患者にも使いやすい。
  • 腎機能が未熟な新生児・乳児にも適応アリ。

維持液(3号液)

ソリタT3、ヴィーン3Gなど。

  • 1日に必要な水・電解質補給に役に立つ。

細胞外液補充液(晶質液)

生理食塩液、ラクテック、ソルラクト、フィジオなど。

  • 細胞外液量を増やせる。
  • 考えられる投与量の25%が血管内に、75%は間質に移動すると考えられている。

大量出血の際の血管内容量保持血圧保持には単独では難しい時がある…。

代用血漿(膠質液)

※ヘスパンダ―は、在庫がなくなり次第、販売を中止(22年4月)

ボルベンなど。

  • 血管外に出ず、血管内に留まるくらいの大きさを持った分子を成分とした輸液製剤
  • ものによって異なるが、80%以上血管内に留まると考えられている
  • 投与後しばらくは100%血漿に留まる!

だから、大量出血などに用いられるんだね💡

副作用

大量投与すると…

  • 腎機能障害のリスク
  • 凝固系障害のリスク
  • 血小板障害のリスク 

アルブミン製剤(膠質液)

目的は血漿膠質浸透圧の維持による循環血漿量の確保!

副作用
  • 大量投与すると高ナトリウム血症のリスク
  • 急激に循環血漿量が増加した場合、肺水腫や心不全のリスク

麻酔チャートの輸液の読み方

ボルベンやヘスパンダー(膠質液)のことを「HES」
その他の輸液(つまり晶質液)のことを「fluid」って記入する先生も。。。

麻酔チャートの輸液欄、最初全然分からなかった…

術中輸液の投与量の目安

出血量が目安になります。
体重60kgなら、循環血液量の15~20%は690~920ml。(循環血液量は、体重の約1/13)

出血量投与の目安
循環血液量の
15~20%
晶質液を出血量の2~3倍
循環血液量の
20~50%
膠質浸透圧維持のため、膠質液を投与。
組織への酸素供給不足の場合は赤血球液を投与。
循環血液量の
50~100%
上記に加え、適宜アルブミン製剤を投与。
循環血液量の
100%以上
上記に加え、適宜アルブミン製剤を投与。
目安です。必ず医師に確認して下さい。

出血量を確認して、輸液の用意ができるといいよね💡

術中の輸液管理

新しい輸液管理【目標指向型輸液療法(GDT)】

これまでは、術中輸液は体重から水分必要量を計算することが多かったのですが…。
この方法は過剰輸液になる傾向があり、合併症がきたす可能性が指摘されているそうです。

縫合不全・消化管蠕動運動の低下、呼吸不全…

新しい輸液管理では、術後の早期機能回復を目的とした目標指向型輸液療法(GDT)が提唱・実践されつつあるんだそうです!

目標指向型輸液療法(GDT)

酸素供給に注目し、心拍出量や1回拍出量などを目標値を設定して輸液を行う方法。

【参考文献】
武田知子,NEWはじめての手術看護 “なぜ”からわかる、ずっと使える!,メディカ出版,2022,p130‐132
一般財団法人住友病院 手術室 看護師長 峯上 奈緒子 編集,オペナースに必須の78スキル 先輩がまるごと教えます!手術看護オールインワンブック,メディカ出版,2022,p177ー181

この記事を書いた人
しゅがー

療養病棟3年(准看)→手術室5年(正看)
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