声門上器具ってなに？挿管介助となにが違う？【LMA(ラリンジアルマスク)、i-gel(アイジェル)】

全身麻酔の手術の時、気管挿管の時と、声門上器具の時があります。
なんとなく、気管挿管は分かるけど…声門上器具ってなんぞや！？って思っていました。
今回は、声門上器具についてお勉強をしてきました！

スライドして見てね👍

気道確保に使う道具は？

気道確保の方法は、主に3種類あります。

フェイスマスク

よく使われるフェイスマスクは、とても簡単に使える器具です。
ですが、上気道閉塞や誤嚥を防ぐことができません。
呼吸ガスが漏れやすいという問題点もあります。

声門上器具

声門上器具は、口腔･咽頭･あるいは食道上部に挿入して換気を可能にする器具です。
気管チューブとフェイスマスクの中間的な存在です。

気管挿管

気管チューブを気管に挿入し、気道確保をする器具です。
最も確実な気道確保の方法です。

声門上器具って何？

声門上器具は、先ほどのように、口腔･咽頭･あるいは食道上部に挿入して換気を可能にする器具です。

声門上器具はこんな時に使う

声門上器具のメリット

気管挿管が難しい時にも使える
気管の中まで入れないから、優しい	気道刺激性が低い 気道反射を誘発しにくい 術後の咽頭痛や嗄声などが少ない
気管挿管よりも手技が簡単

声門上器具のデメリット

逆流してきた胃内容物の誤嚥を防げない	緊急手術で絶飲食していない患者さん(フルストマック)には使えません
声門が閉じてしまうと呼吸ができなくなる！	喉頭痙攣などでの声門閉鎖、外部からの圧迫で気管が閉塞すると換気困難になってしまう
麻酔のガスが漏れることがある	陽圧換気時、気道内圧が高いとガスや揮発性麻酔薬が漏れてしまう

声門上器具の種類･特徴

LMA(ラリンジアルマスク)	空気を注入するカフがある。 チューブと楕円形のマスクで構成され、喉頭を包み込むように密着させて気道を確保する。
i-gel(アイジェル)	ジェル状のカフで、空気注入不要！ 喉頭に密着して、有効な換気ができる。

声門上器具の構造

声門上器具の挿入介助は？

声門上器具の挿入介助

基本的に、喉頭鏡を使用せずに挿入できます。
また、筋弛緩薬も不要な場合が多いです。

実際の挿入介助方法

【参考文献】
日本麻酔科学会・周術期管理チーム委員会，周術期管理チームテキスト第4版，日本麻酔科学会，2020，p257‐258