【術前訪問、なんて聞く?】糖尿病(DM)の術前評価【手術室看護師のお勉強】

糖尿病患者さん、術前にみるポイント教えて!

外科患者の15-20%が糖尿病を合併していると言われていて、担当することも多いよね。
今回は術前評価に焦点を当てて解説していくよ!

スライドして見てね👍

この記事を書いた人
麻酔の看護師ぱん

手術室・病棟看護師を経て、大学院で麻酔について学ぶ。
現在はベテランの周麻酔期看護師として日々麻酔業務を担当。

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もくじ

糖尿病のタイプ

まずは糖尿病(以下、DM) の基礎知識を復習!

糖尿病のタイプ特徴

  1. Ⅰ型
    ・自己免疫による膵臓の破壊、若年発症が特徴
    ・インスリン分泌能の障害、インスリン依存
    ・周術期ケトアシドーシスのリスク
  2. Ⅱ型
    ・生活習慣病が原因
    ・インスリン感受性低下・抵抗性、分泌能低下
  3. 妊娠糖尿病
  4. その他:膵臓全摘後など

糖尿病の怖い点って何?

それは…臓器障害!!

糖尿病のリスクとして以下があるよ。

・あらゆる動脈硬化病変の原因
・虚血性心疾患の高リスク
・脳血管疾患の高リスク
・慢性腎不全、血液透析の原疾患のトップ
・感染リスクの増大

術前評価のポイント

実際に評価ポイントを見ていこう!

評価ポイント

  1. 術前血糖コントロールができているか?
    :空腹時血糖、HbA1c
  2. 長期合併症の評価
    ・トリオパチー(triopathy):眼症、腎症、神経障害
    ・虚血性心疾患、脳血管疾患、末梢血管/大血管疾患
  3. 低血糖の頻度の確認
  4. 治療の確認
  5. 経口糖尿病薬
    インスリン:種類(速攻型、持続型など)、投与量・タイミング
  6. 手術と術前絶飲食期間の確認

トリオパチーって何?

トリオパチーとは、網膜症・腎症・神経症の三症状を指すよ
糖尿病発症後、神経障害は5年、網膜症は7〜8年、腎症は10年で発症すると言われている!
これらが術前からあるのかを確認することが大切!

  1. 網膜症
    網膜症が存在する患者は、他の合併症も相当進行しているとして対処
  2. 腎症
    大手術後には急性腎障害(AKI)リスクが増大
  3. 神経症
    自律神経系の障害
    全身麻酔・Epiによる血圧低下
    心房細胞虚血性心疾患の狭心痛が非典型的

糖尿病患者と虚血性心疾患 

  1. インスリン使用の糖尿病患者はRevised Cardiac Risk Indexの1項目

Revised Cardiac  Risk Index?

非心臓手術の周術期心血管合併症を予測するためのスコアリングシステム
1項目以下であれば周術期心血管イベント発生率0.9%で低リスク
3項目該当で発生率が6.6%と高リスクになる。
そのうちの1項目ってことはDM(インスリン使用)併存でリスクが高まるってことだね

  1. 虚血性心疾患の既往のないDM患者でも心筋梗塞既往のある非DM患者と同等の心筋梗塞リスクがあることが報告されている

術前血糖コントロール

空腹時血糖やHbA1cがどの程度であれば待機的手術をしていいの?

明確な基準はないのだけど、空腹時血糖200mg/dl以下、HbA1c7.0程度
(*空腹時血糖130mg/dl以下、HbA1c 6.5以下でコントロール良好とされている)

コントロール不良患者は糖尿病内科コンサルテーションをして、血糖コントロールをしてから手術をすることが望ましい。

【参考文献】

  1. 澄川 耕二 他. 麻酔前の評価・準備と予後予測 ー病態に応じた周術期管理のためにー克誠堂出版. 2012. p108-112
  2. 平岡 栄治 他. 日本循環器学会  日本心臓病学会. 2022 年改訂版 非心臓手術における合併心疾患の 評価と管理に関するガイドライン. p28
  3. Lee TH. et al. Derivation and prospective validation of a simple index for prediction of cardiac risk of major noncardiac surgery. Circulation 1 9 9 9 ; 100 : 1043 – 1049 . PMID: 10477528
  4. Steven M. Haffner. et al. Mortality from Coronary Heart Disease in Subjects with Type 2 Diabetes and in Nondiabetic Subjects with and without Prior Myocardial Infarction. The New England Journal of Medicin 1998; 339:229-234
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麻酔の看護師ぱん

手術室・病棟看護師を経て、大学院で麻酔について学ぶ。
現在はベテランの周麻酔期看護師として日々麻酔業務を担当。

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