手術室で働く中で、「そろそろ転職したいな」「退職しようかな」と考える瞬間は、誰にでも訪れるもの。
でも、いざ退職を決意しても、どんな理由で伝えたらいいのか、悩んでしまうことはありませんか?
特に手術室は、少人数でチームワークが重要な職場。
できるだけ円満に退職するためには、伝え方に工夫が必要です。
この記事では、手術室看護師が知っておきたい退職理由の伝え方を、例文つきで詳しくご紹介します。
「立つ鳥跡を濁さず」、気持ちよく次のステップへ進むためのヒントをまとめました!
手術室看護師の主な退職理由と退職理由の伝え方【例文あり】

手術室看護師が退職を考えるきっかけは、人それぞれ。
でも実は、理由にはある程度パターンがあります。
「本音を言いにくい…」と感じる場面も多いですが、あらかじめよくある退職理由を知っておけば、伝え方を工夫しやすくなります。
ここでは、手術室看護師に多い主な退職理由と伝え方を具体例を交えながらご紹介します。
結婚や出産
結婚や出産を機に、生活スタイルを見直したいと考える看護師さんは多くいます。
手術室は夜勤やオンコール対応もあるため、ライフイベントに合わせた退職はごく自然な流れです。
「家庭と仕事のバランスを考えた結果」と伝えれば、円満に受け入れてもらいやすくなります。
勤務時間や変更などで引き止められる場合もありますが、「家族の意向で…」と伝えると、それ以上深く追及されにくくなります。
たとえば、「家族と相談した結果、今後は家庭を優先することになりました」といった表現にすると、個人の意思だけでなく家族の事情も絡んでいるため、引き止めが難しくなります。
無理に細かい理由を話す必要はなく、あくまで柔らかく、感謝の気持ちを添えて伝えることが大切です。
キャリアアップ
「認定看護師を目指したい」「新たな分野に挑戦したい」など、キャリアアップを理由にするのも前向きな選択です。
手術室で培った経験を活かし、さらにスキルを伸ばしたいという意欲は、むしろ応援されることが多いでしょう。
「今後の目標に向けたステップ」として伝えるのがポイントです。
感謝の気持ちも添えると好印象に!
職場の人間関係のトラブル
人間関係に悩み、退職を決意するケースも少なくありません。
ただ、トラブルをそのまま理由にすると角が立ってしまうことも。
「新しい環境で自分をリセットしたい」「視野を広げたい」というニュアンスに変えて伝えると、円満退職につながりやすくなります。
「部署異動するから!」と引き止めらないように、「学びたい専門分野が決まっている」「そのために環境を変える必要がある」と明確に伝えるのがポイントです。
給与や待遇面での不満
手術室は高いスキルが求められるわりに、給与や待遇が見合っていないと感じることもありますよね…。
しかし、直接的に不満をぶつけるのは避けたいところ。
「より自分の希望に合う働き方を求めたい」と前向きな表現にすると、角を立てずに伝えられます。
手術室看護師は、オンコールや緊急手術対応など、負担の大きい勤務が続くため、待遇面に不満を感じることも少なくありません。
しかし、「給料が低いから」「労働条件が悪いから」とストレートに伝えると、職場との関係にヒビが入るリスクがあります。
伝える際は、「より自分に合った働き方を求めたい」や「長くキャリアを続けるために環境を整えたい」など、前向きな言葉に言い換えるのがコツです。
待遇そのものを否定するのではなく、自分自身のキャリアビジョンやライフスタイルの変化にフォーカスして伝えると、円満な印象を保てます。
過剰労働によるストレス
手術室の勤務は、緊急手術や長時間手術が続くこともあり、心身に負担がかかりやすい環境です。
「健康を考えて、働き方を見直したい」と伝えると、個人の事情として理解してもらいやすくなります。
無理に我慢せず、体調を大事にする決断も立派な理由のひとつです。
ただし、「ストレスでもう限界です!」とストレートに伝えるのは避けたいところ。
「働き方を見直したい」「健康を第一に考えたい」という前向きなニュアンスにするのがポイントです。
ストレスを理由に退職する場合も、「ネガティブな印象を与えない伝え方」が大切です。
「体調管理を重視したい」「無理なくキャリアを続けたい」という言葉を選ぶと、前向きな姿勢として受け取られやすくなります。
体力の限界を感じたとき
手術室看護師は、長時間立ちっぱなしの勤務が当たり前。
年齢を重ねると、体力的な負担がじわじわと大きくなり、10-0などの小さな縫合針も見えにくくなってくることも…。
これも、無理に隠す必要はありませんが、「自分を大切にしたい」という形で前向きに伝えると好印象です。
無理をせず、自分の体を大切にする選択を大事にしましょう。
体力や視力の変化は自然なことなので、正直に、でも前向きに伝えることが大切です。
「患者さんに安全な看護を提供し続けるため」といった視点を加えると、単なる「体力不足」のイメージにならず、いい印象を与えることができそうです!
職場に退職理由を伝える際のポイント

退職理由は、単に「本音を伝える」だけではうまくいきません。
言葉選びひとつで今後の人間関係に影響することも…。
ここでは、引き止められにくい理由の選び方や、伝え方の注意点をまとめました。
気持ちよく送り出してもらうために、コツを押さえておきましょう!
引き止められにくい退職理由
「結婚や出産」「引っ越し」「キャリアアップ」は、比較的引き止められにくい退職理由です。
これらは本人の事情であり、職場がどうにかできる問題ではないため、スムーズに受け入れられやすい傾向にあります。
また、「健康上の理由」も無理に引き止めることが難しいため、状況に応じて選ぶのもひとつの手です。
そのまま伝えないほうが良い退職理由
「人間関係の不満」や「給与への不満」など、職場への不満は、ストレートに伝えるとトラブルになりがちです。
本音であっても、ぐっとこらえて、前向きな理由に言い換える工夫が必要です。
たとえば「環境を変えてリフレッシュしたい」「自分の成長のために新しい場所で挑戦したい」など、前向きな表現にするのがコツです。
「退職理由は何と伝えたらいいの?」と悩む人も多いですよね。
伝え方次第で、印象は大きく変わります。
ここでは、シチュエーション別に使いやすい例文をご紹介します。
自分のケースに近いものを参考にしながら、ぜひ気持ちよく伝えられる言葉を見つけてくださいね。
手術室看護師の退職に関するよくある質問

退職を決意しても、実際にどう動けばいいのか、どんなふうに伝えたらいいのか――迷う場面はたくさんありますよね。
ここでは、よくある疑問に対して、スムーズに進めるためのヒントをまとめました!
退職の意思を上司に伝えるベストなタイミングは?
基本的には、退職予定日の1〜2か月前までに伝えるのがおすすめです。
多くの職場では、就業規則で「1か月前」や「2か月前」と定められていますが、円満退職を目指すなら2か月前の申告が理想的です。
この期間があれば、シフト調整や人員配置の見直し、後任者への引き継ぎなど、必要な対応を十分に行うことができ、職場への負担を最小限に抑えられます。
法律上は、退職日の2週間前までに退職届を出せば、退職することができます。
退職を伝えた際、引き止められた場合はどうすればいい?
引き止められたときは、気持ちが揺らいでも、一度立ち止まって考えることが大切です。
もしすでに気持ちが固まっているなら、感謝の気持ちを伝えつつ、「自分自身でじっくり考えた結果なので、意思は変わりません」と、はっきり伝えましょう。
退職までの期間が短い場合、どのように理由を伝えればいい?
やむを得ない事情で急な退職となる場合は、誠意をもって事情を伝えることが何より大切です。
「一身上の都合により」「家族の事情により」など、プライバシーを守りながら伝えて問題ありません。
その際、「急な申し出となりご迷惑をおかけしますが、できる限り引き継ぎには協力させていただきます」と添えると、誠実な印象を持ってもらえます。
おわりに
手術室看護師として働いていると、退職を決意するまでにたくさんの葛藤があると思います。
だからこそ、最後はできるだけ円満に、気持ちよく次のステージへ進みたいですよね。
伝え方ひとつで、職場との関係や自分自身の印象は大きく変わります。
今回ご紹介した例文やポイントを参考にしながら、自分らしい言葉で思いを伝えてみてください。
退職はゴールではなく、新しいスタート。
これまでの経験に胸を張って、次の一歩を踏み出していきましょう!


自著
総合医学社「オペ看ノート」
メディカ出版「メディカLIBRARY」
エッセイ:オペナースしゅがーの脳腫瘍日記
クラシコ株式会社「NURSE LIFE MIX」
NLMメイトとして記事連載中
記事:オペ看ラボ
漫画:しゅがーは手術室にはいられない
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