急変があったのに、何もできなかった…。
手術室では滅多にないからこそ、術中の急変に直面すると一気に緊張が走りますよね。
「もし自分だったらどう動く?」「何を準備しておくべき?」と、普段からシミュレーションしているつもりでも、いざというとき焦ってしまう…そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
今回、Instagramで「急変時の対応、どうしてる?」という問いかけをしたところ、たくさんのリアルな声が集まりました!
オペ看さんたちの実体験や、職場で取り組んでいるシミュレーション方法を共有しながら、いざというときの備えを一緒に考えてみましょう。
この記事は、筆者のInstagramのストーリーズに設置した質問BOXを通じて、フォロワーさんから寄せられたリアルな声やDMのコメントをもとに作成しています。実際の現場での工夫や体験談をご紹介していますが、あくまで一例であり、情報によって生じた不利益・損害等については一切の責任を負いかねますので、予めご了承ください。

自著
総合医学社「オペ看ノート」
メディカ出版「メディカLIBRARY」
エッセイ:オペナースしゅがーの脳腫瘍日記
クラシコ株式会社「NURSE LIFE MIX」
NLMメイトとして記事連載中
記事:オペ看ラボ
漫画:しゅがーは手術室にはいられない
\フォロワー5万人/
Instagramはこちら
術中急変対応
急変はいつ起こるかわからないからこそ、日頃の備えがとても大切。
「いざというときに動けなかった…」「もっと早く気づけたら」——そんな後悔をしないためにも、普段からできる準備や練習ってどんなことがあるのでしょうか?

急変時のシミュレーション、どうやってますか?
今回は、オペ看さんのみなさんに「術中急変への備え」について聞いてみました。
脳内イメトレから多職種合同の本格的なシミュレーションまで、さまざまな取り組みが寄せられました!
急変に備える!オペ看たちのリアルなシミュレーション事情
「頭では分かってたのに、急変のとき体が動かなかった…」
そんな経験をしたからこそ、「どうしたらもっと落ち着いて対応できるんだろう?」と考えるようになった、という声が届きました。
急変はいつ起こるかわからないからこそ、普段からの準備やシミュレーションがとても大切です。
今回は、オペ看のみなさんがどんなふうに急変に備えているのか、実際の取り組みを紹介します!
脳内で妄想



流れから予測される急変は常に脳内妄想してます。
薬剤や物の確認、人員確保など。



わかる〜!!!
私は心配性なので、「こうなったらどうしよう…」っていつも妄想してました…。
合同でシミュレーション



超緊急カイザーは、Dr、オペNs、産科Nsと合同で実際に患者役、指示役等配役して動きの確認をする。



医師や検査科、薬剤科と合同でシミュレーションしたりしています。



多職種が関わるから、自分はどう行動すればいいのか考えるきっかけになりそうですね!
シナリオを作ってシミュレーション



術中(全麻)の心停止を経験しました。
フィードバックして、その時の状況でシナリオを作りました。



以前あった事例をもとにシナリオを作成して、実際に物品を持ってきて行ってます。



救急係が年に2〜3症例シナリオを考えてやっています!
呼吸・循環等いろんなパターンでやります。



実際にどう動けばいいのか分かるから勉強になりますね✨
急変後に勉強会(振り返り)



勤めていた所では、急変があったらその後勉強会を開いてみんなで振り返りをしていました。
ああしたらよかった、こうしたらよかったという意見が貰えて次に繋がる勉強になりました。
普段できることといえば、
- 物品の位置を把握しておくこと(出来ればストックの位置も。既に大量に使用されていて定位置に無く、ストックどこ!?ってタイムロスしたことがあります😭)
- 輸血取りに行く、などの業務を正確に覚えておく(急変時はあれっ、どうするんだっけ!?と頭の中真っ白になることも)
- 薬剤がどこの部屋にあるか(勤めていた病院では固定の部屋にしかない薬剤があったが、固定の部屋にしかないということを知らずあちこち走り回ってタイムロスしたことがある💦)



振り返りって本当に大事!
私は、大量輸血が必要な症例で、「補正の薬も持ってきて!」って言われたけど意味が分からなかった…。
しゅがーが振り返りで学んだこと👇
RBCの中のクエン酸によって血中カルシウムが低下するから、大量輸血をしたらカルシウムを補充する!
(カルシウムは凝固因子のひとつ)大量輸血の時は一緒にカルチコール®などを準備しよう!って覚えた✨
個人の力×チーム



個人とチームで急変対応の取り組みも変わると思いますので私見も含めてそれぞれ参考になれば幸いです。
・個人として
9割勉強(シュミレーション含む)、1割(経験)だと思ってます。
ただ勉強はなかなか難しいので、普段のオペから麻酔科医やいわゆるAdvancedNs(NP PAN CN CNS 特定)と常にこれがあったらこうするというコミュニケーションをとっていくことが大切だと思います。
なのでシミュレーションも意味合いが広いですが、普段のオペからコミュニケーションをとり頭の中でシミュレーションするのが良いと思います。
オペ1件1件を毎日振り返りながらコミュニケーションをとっていくことで学びにもなりますし、周りに学ぶ姿勢がある人と思ってもらうことにもなります。
そうすると何かあったときにドクターとかとコミュニケーションが取りやすくなります(急変時だけコミュニケーション取ろうと思ってもみんな目の前のことに全力になるのでまず無理です)
・チームとして
質問者さんがAdvancedNsや役職付いてる方であればすでに感じていることかもしれません。
チームでうまくコミュニケーションとり急変対応できればそれほどいいことはありません。
しかし現実はそんなに温度感の高いチームはありません。
看護師は比較的簡単になれるのでいろんな考えの人がいます。
なのでチームでシミュレーションを行うのであれば、役職者やAdvancedNsを味方につけることから始めていかないといけないと思います。
いろんな温度感を持ってる中で統一してやるのは役職者が「このチームはこうします」と言って強制的に制度や対応のフローチャートを作るしかないと思います。
なので結論としては精神的な疲労も考えると、個人の力をつけていく事で周りにも味方を作り少人数でもチームとして何かあったときに対応できることをまず目指すのが良いと思います!



個人の力を高め、少チームとして対応できるようにすることが大事なんですね…!
コマンダーを立ててシミュレーション



実際に急変もしくは急変しかけた事例で、医師、看護師、CE、病棟などが参加。
シナリオ作って→配役決めて、真面目にやってます!
コマンダーは、麻酔科医、連絡係は師長など、みな真剣です。



急変の時は、オペ看だけじゃなくて、みんなが一斉に動く…!
バラバラで動いたら効率悪いもんね…💦


こんな方も…



先日腰椎麻酔ジャックナイフ体位で急変。
みんな大焦り。これを機にシミュレーションすることに。



急変時に焦らないためにも、頭の中でもシミュレーションができるといいですよね✨



4年目ですが、したことないです💦



私も前まではしたことなかったです💦
でも、急変を経験してから振り返りやシミュレーションを提案してはじめました💪
普段からのシミュレーションなどがとても大事
急変は、普段からのシミュレーションなどがとても大事なんですね!
オペ看さんたちが急変時に動けるように何をしているのか、まとめてみました。
- 脳内で妄想する
- 合同でシミュレーションする
- シナリオを作ってシミュレーションする
- コマンダーを立ててシミュレーションをする
- 急変後に勉強会をする(振り返りをする)
- 物品や薬剤の位置を確実に把握しておく



急変はケースバイケースでなかなか慣れるということがないけど💦
焦らず落ち着いて対応できるように、普段からシミュレーションなどで頭を整理しておきたいですね!
おわりに
急変対応は、経験がものをいう…とはいえ、実際にその場になってみないとわからないことも多いもの。
でも、だからこそ普段から「もしも」を想定して、頭の中でシミュレーションしたり、チームで動きを確認し合ったりすることがとても大切なんだと、みなさんの声から改めて気づかされました。
どんなに準備していても、焦ったり戸惑ったりしてしまうのは当たり前。
それでも、「次はもう少し冷静に動けるかも」と少しずつでも成長できるように、日々の積み重ねを大切にしていきたいですね。
あなたの安心のために、そして患者さんのために。
自分なりの備え、今日からまた一歩進めてみませんか?