手術室看護師として新たな職場にチャレンジする際、避けて通れないのが「面接」です。
緊張してうまく話せるか不安…という方も多いのではないでしょうか。
でも大丈夫!事前に準備をしておけば、自分らしさをしっかり伝えることができます。
この記事では、面接でよく聞かれる質問とその答え方、注意したいポイントなどを、わかりやすくまとめました。
病院側がどんなところを見ているのか、どんな受け答えが好印象なのか、手術室経験者だからこそ伝えたいリアルな面接対策をお届けします!
面接前にやっておくべき準備とは

面接を成功させるカギは、当日の受け答えだけでなく「どれだけ事前に準備できたか」にかかっています。
病院・施設の特徴や理念などを事前に調べておくことで、志望動機に説得力が増します。
また、面接当日に焦らないためには、服装や持ち物の確認も欠かせません!
準備不足による「しまった…」を防ぐには、前日までにチェックリストを活用して確認するのがおすすめです。
応募先の病院・施設の情報収集
「なぜこの病院を選んだのか?」という質問は、面接でほぼ確実に聞かれます…!
ここで大切なのが、応募先の理念や特徴を事前に把握しておくこと。
たとえば「チーム医療を大切にしている」など、施設ごとの取り組みに触れると、志望動機に深みが出ます。
情報収集には、病院のホームページや転職エージェントなどを活用しましょう。
手術室配属を希望している場合は、診療科や症例数、教育体制なども確認しておくと、具体的に伝えられます。

私は、病院の理念を聞かれました…!
面接当日の服装・身だしなみをチェック
面接は第一印象がとても重要です。
手術室での経験やスキルがあっても、身だしなみが整っていないだけで印象を落としてしまうことも…。清
潔感のあるスーツや落ち着いた髪型、控えめなメイクを意識しましょう。
アクセサリーはシンプルに、香水も控えめに。
爪が伸びていないか、靴が汚れていないかもチェックポイントです。
忘れずに!面接当日の持ち物と確認リスト
面接当日は、緊張でうっかり忘れ物をしてしまうことも。
だからこそ、前日のうちに持ち物をリストで確認しておくことが大切です。
必ず持参したいのは、履歴書や職務経歴書のコピー、筆記用具、メモ帳、腕時計。
そして病院から指定された書類や印鑑なども忘れずに。
道に迷ったときのために、会場の地図や担当者の連絡先も控えておくと安心です。
予備のマスクやハンカチ、絆創膏などもあると、ちょっとしたトラブルにも対応できます。
面接でよく聞かれる質問と回答例


面接では、ある程度決まった質問が多く見られます。
特に「志望動機」や「退職理由」「自己PR」は定番です。
準備しておけば落ち着いて答えられる反面、準備不足だと内容が曖昧になりがち。
面接官は答えの“正しさ”よりも、あなた自身の人柄や考え方を知ろうとしています。
特に手術室看護師の場合は、専門性やチームでの連携力が問われる場面もあるかもしれません。
自己紹介・自己PRに関する質問
面接の最初に聞かれる「自己紹介」は、第一印象を左右する大事な場面です。
名前、最終学歴、これまでの職務経験を簡潔にまとめて伝えましょう。
面接官が話しやすい雰囲気をつくるための質問でもあるので、緊張しすぎず、落ち着いて話すことがポイントです。
また「自己PR」では、自分の強みや仕事への姿勢を伝えるチャンスです。
たとえば「冷静に行動できる」「細かい作業が得意」「コミュニケーション力がある」など、手術室の仕事につながりそうな強みを選ぶと伝わりやすくなります。
手術室での経験・スキルに関する質問
手術室配属を希望する場合、「これまでご経験された手術は、主にどの診療科のものでしょうか?」といった質問もよく聞かれます。
ここでは、担当されていた診療科や手術件数、役割(器械出し・外回り・リーダーなど)を具体的に伝えるのがポイント。
また、チームで動く現場だからこそ、協調性や連携力も一緒にアピールできるとベストです。
技術面だけでなく「どんなことを意識して働いていたか」も伝えられると、面接官にあなたの仕事ぶりがよりリアルに伝わります。
看護観や印象深いエピソードの質問
「あなたが大切にしている看護は?」「心に残っている患者さんとのエピソードはありますか?」といった質問では、これまでの経験を通してどんな看護師を目指しているのか、人柄や価値観を見られています。
手術室では患者さんと話す時間が限られている分、術前・術後の関わりや、他職種との連携をどう考えているかが伝わるとGOOD!
特別な話でなくても大丈夫。
自分が「大事にしたい」と感じた出来事を、素直に伝えてみてください。
労働条件・配属・夜勤やオンコールの働き方に関する質問
「夜勤はできますか?」「希望と違う配属になったらどうしますか?」など、働き方に関する質問もよくあります。
ここでは“正直に答えること”が大切ですが、伝え方には工夫が必要です。
「できません」と言い切るよりも、「事情があるため難しいが、できる範囲で協力したい」という前向きな姿勢が伝わるようにすると印象がやわらぎます。
また、希望する働き方があれば、面接の段階で伝えておくのがベスト。
ただし、要望が多すぎると敬遠されることもあるので、優先順位を整理しておきましょう。
答えに困る質問への対策と考え方


面接では時に、「どう答えればいいの?」と戸惑ってしまうような質問をされることがあります。
たとえば「希望の配属先に入れなかったら?」「お子さんが急に熱を出したらどうしますか?」など、答えづらいけれど現場では起こりうる内容です。
こうした質問の意図は、“完璧な答え”を求めているのではなく、応募者の人柄や考え方、柔軟性を見ていることがほとんどです。
自分なりにどう考えて行動しようとしているかを、素直な言葉で伝えましょう。
希望の配属先に入れなかった場合は?
「希望とは違う配属になった場合、どうしますか?」という質問は、どの病院でもよく聞かれます。
ここでは、“希望を持ちつつも柔軟に対応する姿勢”を伝えるのがポイントです。
たとえ希望と違っても、新しい経験から学びを得ようとする前向きさが伝わると、印象はぐっと良くなります。
一方で、どうしても譲れない希望がある場合は、きちんと理由を添えて伝えておきましょう。
家庭事情に関する質問の答え方
「お子さんが急に体調を崩したときは?」「ご家族の介護が必要になったら?」といった家庭に関する質問も、現場の事情を踏まえると面接で聞かれることがあります。
ただし、答えづらいと感じる方も多い内容ですよね…。
大切なのは、無理に取り繕わず、できる範囲と対応の考え方を伝えることです。
サポート体制があるならその旨を伝え、急な対応にも前向きに取り組む姿勢を見せると好印象です。
答えなくてもよいNG質問への対応
面接中に「結婚の予定は?」「お子さんは何人ですか?」といった、プライベートに踏み込みすぎた質問を受けたことがある…という話も耳にします。
こうした質問は、採用に直接関係のない内容であり、無理に答える必要はありません。
…とはいえ、面接の場で波風を立てたくない場合もあるかと思います。
そんなときは、やんわりとかわしつつ、仕事への前向きな姿勢を伝えるのがベターです。
受け流し方も、あなたの人柄として見られていることを忘れずに。
面接官が見ている!?“受け答え以外”のポイント


面接では「何を話すか」も大事ですが、それ以上に「どう話すか」「どんな態度で臨んでいるか」が見られています。
たとえば、姿勢や表情、あいさつの仕方、言葉づかいなどもすべて印象に影響します。
看護師はチームで動く仕事。
患者さんだけでなく、医師やコメディカル、家族など、多くの人と関わるからこそ、基本的なマナーやコミュニケーション力が重視されます。
「話すときに目を見ているか」「緊張していても笑顔を忘れないか」など、ちょっとしたことが信頼感につながるポイント。
準備した受け答えが完璧じゃなくても、丁寧な態度や思いやりのある言葉選びができていれば、それだけで好印象です◎
態度や表情、話し方の印象
面接では、話している内容だけでなく、「どんな表情で話しているか」「どんな態度で向き合っているか」も重要な判断材料になります。
たとえば、うつむきがちだったり声が小さすぎたりすると、「自信がなさそう」「コミュニケーションが苦手かも」と思われてしまうことも…。
とはいえ、無理に明るく振る舞う必要はありません。
大切なのは、丁寧な姿勢と誠実な話し方です。
緊張していても、しっかりと相手の目を見て、ゆっくり落ち着いて話すだけで印象はぐっと良くなります。
表情や声のトーン、あいづちなども意識して、相手に「安心感があるな」と感じてもらえるよう心がけましょう。
目線や姿勢、基本マナーのチェック
看護師は信頼関係のうえに成り立つ仕事だからこそ、面接では“きちんと感”が大切にされます。
たとえば、目線が合わない、猫背になっている、声が聞き取りづらい――そんな些細なことでも、「患者さんとのコミュニケーションに不安があるかも」と受け取られてしまうことがあります。
面接中は、相手の話を聞くときはしっかりうなずく、自分が話すときは背筋を伸ばして相手を見る、そんな基本的なマナーを意識するだけで印象は大きく変わります。
日頃の業務で患者さんやスタッフと接するときと同じように、相手に安心感を与える姿勢を意識してみてくださいね。
面接全体を通じたコミュニケーション力
面接で何よりも大切なのは、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえること。
そのためには、受け答えの内容だけでなく、会話のキャッチボールができているか、相手の話をきちんと聞いているか、といった“コミュニケーション力”が大きなポイントになります。
緊張する場面でも、相手の質問を最後まで聞いてから答える、質問の意図に合った内容を返すなど、丁寧なやりとりを意識しましょう。
また、わからない質問があったときは、正直に「すみません、少し考えてもよろしいですか?」と伝えるのも立派な対応です。
背伸びせず、自分らしく誠実にやりとりすることが、いちばんのアピールにつながりますよ。
逆質問で印象アップを!


面接の最後に、「何か質問はありますか?」と聞かれる“逆質問”の場面。
ここで「特にありません」と答えてしまうのは少しもったいないかもしれません。
逆質問は、働く意欲や職場への関心をアピールできるチャンスです。
「入職後に担当する業務は?」「手術室の教育体制について教えてください」など、実際に働くイメージにつながる内容がおすすめ。
準備していた質問がすでに面接中に答えられた場合は、「お聞きしたいことはすでに伺えました」と一言添えるだけでも丁寧な印象になります。
ポイントは、“調べればわかること”ではなく“その場でしか聞けないこと”を選ぶこと。
あなたがその職場で働く未来をしっかり描いていることが伝わります。
「入職前に勉強しておくべきことは?」
逆質問として特におすすめなのが、「入職前にどんな勉強をしておくと良いか」という質問です。
これは、ただ採用されることが目的ではなく、「入ってからしっかり活躍したい」という前向きな気持ちが伝わるため、面接官の印象も良くなります。
たとえば、「手術室は初めてなので、使用する器械の名前を少しずつ復習しておこうと思っているのですが、ほかに準備しておくと良いことはありますか?」など、具体的に聞くとより意欲が伝わります。
どんな勉強をすればいいのか迷っている方こそ、この逆質問を使って、今後の学びのヒントを得てみましょう。
職場の雰囲気やスタッフの傾向
働き始めてからのギャップを減らすためにも、「職場の雰囲気」や「どんな看護師が多いか」を逆質問で聞いておくのはとても大切です。
たとえば、「どのくらいの年齢層のスタッフが働いていますか?」などと聞くと、現場の空気感をイメージしやすくなります。
この質問は、単に情報を得るだけでなく、「職場にうまく馴染もうとする姿勢がある人だな」と面接官に伝えることにもつながります。
スタッフ同士の関係性や、コミュニケーションの雰囲気を事前に知ることで、自分が働くイメージもより具体的になるはずです。
教育体制・研修制度についての質問
「教育体制や研修制度について教えてください」という逆質問は、成長意欲のある人材であることをアピールできる絶好の機会です。
特に手術室勤務では、術式・医師ごとの注意点など、学ぶべきことが多いため、「どう学んでいくのか」は気になるポイントでもありますよね。
たとえば、「入職後はどのようなサポート体制がありますか?」「中途入職者向けのフォローや勉強会はありますか?」といった質問をしておくと、安心してスタートできるかどうかの判断材料にもなります。
受け身ではなく“学ぶ姿勢”を見せることで、面接官に好印象を与えることができますよ。
おわりに
面接は緊張する場面ですが、しっかり準備をすれば、自分らしさを伝えることができます。
手術室看護師としての経験や思いを、相手に伝える機会だと前向きにとらえて臨んでみてくださいね。
この記事で紹介した質問例や答え方、逆質問のヒントが、少しでもあなたの面接準備に役立てば嬉しいです。
完璧な回答をしようとするよりも、「患者さんやチームとどう関わっていきたいか」というあなたの思いを、あなたの言葉で伝えることが何より大切です。
面接は、採用側だけでなく、あなた自身が「ここで働きたいと思える職場かどうか」を見極める時間でもあります。
肩の力を抜いて、自分らしく面接に臨んでくださいね。


自著
総合医学社「オペ看ノート」
メディカ出版「メディカLIBRARY」
エッセイ:オペナースしゅがーの脳腫瘍日記
クラシコ株式会社「NURSE LIFE MIX」
NLMメイトとして記事連載中
記事:オペ看ラボ
漫画:しゅがーは手術室にはいられない
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