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しゅがー
手術室看護師
准看護師3年(療養病棟)
正看護師6年(手術室)

【資格】
・正看護師
・YMAA認証マーク取得
・KTAA認証マーク取得

【Instagram】
🌸メディカ出版│月刊誌「オペナーシング」にエッセイ連載
🌸メディカ出版│学び方を学ぶ、選択肢を増やす「メディカLIBRARY」にエッセイ連載
🌸クラシコ株式会社│看護師の毎日を応援するライフスタイルメディア「NURSE LIFE MIX」NLMメイトとして記事連載中

【手術器械】手術のハサミ、どれ選ぶ?剪刀の種類・使い分けまとめ【メッツェン?クーパー?】

手術器械の中でも、ほぼすべての術式で登場する「剪刀」。
開腹手術でも腹腔鏡下手術でも、必ずと言っていいほど出番があります。

一見するとどれも似たように見えるかもしれませんが、直と曲の違い、刃先の形状、刃の厚み、柄の長さによって適している場面は大きく異なります。
その瞬間に行われている操作の目的を理解し、最適な一本を選べるかどうか。
ここが、器械出しとしての質を大きく左右します

この記事では、基本の剪刀として、直剪刀・クーパー・メイヨー・メッツェンバウム・眼科剪刀それぞれの特徴と適応、さらに現場で迷いやすい使い分けのポイントまで整理していきます。
基本を押さえて、明日から自信をもって渡せるようにしていきましょう。

この記事を書いた人
しゅがー

自著
総合医学社「オペ看ノート」

メディカ出版「メディカLIBRARY」
エッセイ:オペナースしゅがーの脳腫瘍日記

クラシコ株式会社「NURSE LIFE MIX」
NLMメイトとして記事連載中
記事:オペ看ラボ
漫画:しゅがーは手術室にはいられない


Instagramはこちら

もくじ

剪刀(せんとう)とは

剪刀は、主に組織を切るための器械ですが、用途は「切る」だけではありません。

・鈍的剥離
・狭い術野で刃を閉じて組織を圧排
・結紮糸の切離
など、さまざまな場面で使われます。

刃の違い

剪刀の刃には大きく分けて2種類あります。

  • :刃が真っすぐ。
  • (反):刃がカーブしている。

刃先が曲がってると、先が見えやすく、周囲の組織を巻き込みにくい!
だから、術野では曲りの剪刀がよく使われます。

よく使われる剪刀

スクロールできます
名称形状対象概要・注意点
直剪刀医療材料など刃先は真っすぐで、刃先は丸く、鈍状になっている。
雑剪(ざっせん)、直剪(ちょくせん)とも呼ばれる。
クーパー
(曲剪刀)
筋膜組織などの硬い組織刃は曲っていて、刃先は丸く、鈍状になっている。
刃先は比較的硬めの組織の剥離や切離、結紮糸の切離など、基本的に術野で使用する。
術野が深いときは、柄が長い「長クーパー」を使用する。
メイヨー剪刀クーパーに比べて先端が細いが、刃の厚みがある。
血管、リンパ節の剥離など、繊細な操作にはあまり使われない。
メッツェンバウム剪刀血管、リンパ節周囲など軟らかい組織全体的に細く、先端は丸いが鋭状で、切離した組織の挫滅が少ない。
剥離や切離、血管周囲の操作などに用いる。
刃が繊細なので、糸やテープ、硬い組織を切ると刃こぼれするリスクがある。
眼科剪刀粘膜や漿膜、結紮糸など手の平サイズの剪刀。眼科の手術にはもちろん、マイクロ手術の結紮糸を切るために使用したり、さまざまな使い道がある。
先端はかなり鋭利なので取り扱いに注意する。

刃先の違い

基本的に、メイヨー剪刀はクーパー剪刀より刃先が細く、刃に厚みがあります
一方で、メッツェンバウム剪刀よりは太めのつくりになっています。

私がいたオペ室では、メイヨーは医療材料を切ったり、術中の検体の処理に使っていました!

メッツェンあるある

血管結紮の場面では、血管を把持し、メッツェンで血管を切離します。

その流れのまま、つい手元にあるメッツェンで糸も切ってしまう…
という経験、ありませんか?

メッツェンバウム剪刀は繊細で、血管や軟部組織の操作に適した器械です。
一方で、紮糸を頻回に切ると刃こぼれのリスクがあります

基本的には、

・血管を切るのはメッツェン
・結紮糸を切るのはクーパー

と使い分けるのがセオリーです。

なかなか難しいけれど、結紮糸を切るタイミングで「クーパーです!」って声を掛けて渡せるといいですよね。

先生によっては「メッツェンで糸切るけど、刃元で切ってるからOK!」
って言われたことあるけど…どうなんでしょうか…。

剪刀の渡し方

曲型の剪刀は、弯曲が内側に向くようにして渡します

血液などが付着していると切れが悪くなるので、術野から戻ってきた剪刀はガーゼで汚れを拭き取っておきます。

おわりに

最初は「違いがよく分からない」と感じるかもしれません。
でも、使い分けの理由が分かると、器械出しは一気に面白くなります。

なぜ今はメッツェンなのか。
なぜここはクーパーなのか。

剪刀の特徴と役割を理解することは、単に名称を覚えることではなく、術野を読む力を養うことにつながり、自分の判断に自信が持てるようになり器械出しの質が大きく変わります!

剪刀の理解は、器械出しの土台づくり。
焦らず、一本ずつ、確実に身につけていきましょう。
ぜひ手術の際に剪刀の特徴を意識してみてくださいね!

【参考文献】

  • 川原美穂子 編著:完全保存版! 手術室の器械・器具210(オペナーシング2024年春季増刊).メディカ出版,p38₋42,2024
  • NPO法人国際健康福祉センターデバイス研究会 編:手術室デバイスカタログ,金原出版 ,p114-118,2022
  • 寺尾保信・木村武一郎 ・去川俊二 著:毒舌ツクモ神の外科道具絵巻.医学書院,p37-44,2023
  • 畑啓昭 編:研修医のための見える・わかる外科手術,羊土社 ,p30-31,2015
  • 下間正隆:カラーイラストでみる外科手術の基本.照林社,p12-17,2004
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