手術室で働く看護師にとって、手荒れは避けては通れない悩みのひとつです。
「手洗いのたびに痛い」「傷が治らないまま器械出しを続けていいのか不安」「周りに相談しにくくて一人で悩んでいる」
…そんな声は、決して珍しくありません。
今回は、手荒れに悩む新人スタッフへの対応について、多くの手術室看護師のみなさんからたくさんの回答をいただきました。
経験者だからこそ知っている手洗いの工夫、手袋の選び方、外回りへの切り替えのタイミングなど、現場のリアルな声をまとめています。
「自分だけじゃなかった」と思えるヒントが、きっと見つかるはずです…!
この記事は、筆者のInstagramのストーリーズに設置した質問BOXを通じて、フォロワーさんから寄せられたリアルな声やDMのコメントをもとに作成しています。実際の現場での工夫や体験談をご紹介していますが、あくまで一例であり、情報によって生じた不利益・損害等については一切の責任を負いかねますので、予めご了承ください。

自著
総合医学社「オペ看ノート」
メディカ出版「メディカLIBRARY」
エッセイ:オペナースしゅがーの脳腫瘍日記
クラシコ株式会社「NURSE LIFE MIX」
記事:オペ看ラボ
漫画:しゅがーは手術室にはいられない
器械出し|手荒れがひどい…
「手荒れ」についてアンケートを取ったところ、たくさんの回答が届きました。

オペ室3年目看護師です。
入職当初に手荒れした時は、お肌に優しいガウンにして、アルコール消毒は使用せず、ヨードで3回洗って滅菌タオルで拭くのみにして治しました。
その後も手荒れがありながらもドレッシング剤を貼るなどしてなんとか他の人と同じように手洗いしていましたが、特に理由なく急激に悪化して、クレーターのようになり、滲出液も出て萎えたので2ヶ月ほど外回りのみでつけていることもありました。
皮膚科からは禁止されていませんでしたが、全ての傷が塞がりかさぶたとや滲出液がなくなってから復活しました。
先輩にも手荒れが原因で一年目の夏に3ヶ月手洗いせずに外回りからはじめていた方もいましたが周りがデビューしていく中、精神的にとても幸かったと言っていました。



わたしもアトピー性皮膚炎で手荒れがひどかったです。
最初から院内の皮膚科に受診してました。
最初の手荒れがひどい際は機械出しではなく外回り、中材中心で手術に入りました。
外回り、中材にいたことで手術の器械の名称や組み立て、流れなどわかったため後悔はないです。
また外回りの際も感染の認定看護師に許可をいただき、手袋を着用しその上から消毒をして出来るだけ消毒には触れないようにしていました。
消毒が必要な際は感染委員の方が見つけてくださったノンアルコール消毒の上に再度消毒効果が継続するような保湿剤を塗って対応してました。
手洗いする際は出血がない時に行い、ラビング法で手洗い行っていました。
また、連続してオペに入るとその分手が荒れてしまったため2日に一回くらいのペースで最初は手洗いに入っていました。



手荒れで悩んでいた方、多かったです…。
手荒れの原因を考える





手袋メーカーとしてお答えします。
手荒れの原因を見つける。
手荒れしにくい手袋がありますので、それを試してみる。
化学物質、色素、素材、原因多々



手袋メーカーの方、回答ありがとうございます!



何で手荒れしているのか、手袋なら手に優しい手袋や綿手袋の上から二重手袋。
ツーステージ手洗いからのワセリンなど保護剤を塗って二重手袋など



私はアンダーの色付きの手袋が荒れる原因だったので白二枚ばきしてました、それなら長時間オペでも大丈夫でした



手洗いの薬剤は3種類、手袋種類変えてもだめでした。
何がだめというのではなくとにかく手洗いして手袋長時間着けるという刺激がだめになりました。酷くなる前ならその人の限界の頻度を探りながら、酷くなった後なら1ヶ月単位で器械出しはお休みするしかないと思います。
私は外回り強化月間としてしばらく外回りしてました。
そんな私もオペ看歴約10年、今ではほぼ外回りなので手荒れは落ち着いてますが、現在の私の限界手洗い頻度は週に2回です。



まず、何が原因なのか分からないと、対策できないですよね
原因の一つに「カルバミックスアレルギー」?
原因を調べると、カルバミックスアレルギーがあるということが分かりました。



私自身も器械出しでかなり手荒れします。
うちの病院では、滅菌手袋の種類を変えてから手荒れするスタッフが増え、原因を調べたところ、新しく採用した手袋にカルバミックスが含まれていることがわかりました。
そこで手荒れするスタッフがアレルギー検査をしたところ、ほとんどの人がカルバミックスアレルギーであることが判明。
カルバミックスフリーの手袋を履くことでだいぶ落ち着きました。
カルバミックスだけが原因ではないので、丸一日器械出ししたり連日だと手荒れします…



対策として「カルバミックスフリーの手袋」を使うようにしたんだって!
アレルゲンは、人それぞれ…



【ラテックス△、ラテックスフリー◎】
ラテックス原因の可能性は?
私も手荒れで悩み…
手袋をラテックスフリにしたらおさまりました。



【ラテックス◎、ラテックスフリー△】
私の場合はラテックス手袋は平気でラテックスフリーに変わってから手荒れが始まりました。
みんなの手荒れ対策


みなさんから寄せられた手荒れ対策を紹介します。手洗いの方法・手袋の選び方・業務の調整など、現場で実際に試してきた工夫が集まりました。
自分に合いそうなものを、ぜひ参考にしてみてください。
皮膚科を受診する



まずは皮膚科を受診して原因を究明することが大切ですかね。
手袋で湿ってしまう場合は、滅菌の綿手袋ですかね。
私の病院では、ガウンの繊維で荒れる人もいたので、暑いのですが、ガウンの下に滅菌の布性ガウンを着てくる人もいました。
消毒液もエタノール系とヨード系の2種類が設置されています。
基本的には皮膚科の指示に沿ってですが、自傷的な傷に関しては浸出液の有無で判断しています。



まずは皮膚科に行く。
手を洗うのをやめて、外回りをやる!
外から見ても直の学びはできるから、次に直つく時に何が器械に必要とか勉強になる!
直の人にも終わった後、聞けるし。
わたしも1年目から荒れて、なかなか直できなくて、それ以上にいつでもつけれるように準備した!



まず皮膚科に行く→ツーステージ→滅菌プラテ→ガウン着る→滅菌手袋で落ち着きました。



まずは皮膚科を受診して皮膚を整える。
手袋が合わなければ綿手袋を装着して手袋をつけたりしていました。



① 院内の感染管理に相談するのが良いですよ。
あとは、必ず皮膚科を受診。
② 当院はアトピー性皮膚炎などがあり、手に傷のある場合は、器械出しはお休みになっています。



原因を調べるためにも、まず皮膚科受診しよう…!
手袋の素材・種類を変える





その子に合う手袋をデモする。
器械出しの頻度を調整する。
アルコールも低刺激のものにする。



4種類の手洗い洗剤と滅菌綿手袋、ガウン2種類、手袋3種類のなかから選んでもらっています。



荒れやすい人は、肌に優しいタイプの滅菌手袋を使っています。



手袋が原因であれば内側手袋の種類変更や、ガウンの袖で荒れる場合は内側手袋の上に袖を出すなど。



滅菌ビニール手袋をラテフリ手袋の下にはめています!
オペ室に新しく導入してもらいました。
間接介助をメインで、短時間の小さいオペのみです。
あとは手袋をひたすら試すのみ。



① パッチテストで、何の成分が問題なのかを調べて手袋を取り寄せて試してもらっています。
② 国内の全てを試しても手荒れする子もいました。
その子は本人と相談して外回り中心です。
東レ・メディカル株式会社のセンシタッチシリーズ



センシタッチ・プロ・センソプレンシリーズとセンシダームは加硫促進剤を一切使用しない製造技術により作られているそうです!



私の場合はセンシケア (ラテフリ) の手袋を履いています。
綿手袋を中に履くと指の付け根が痛くなるので…
ステリクロンスクラブだと手荒れやすいみたいなので、イソジンで手洗いしていました!



内側の手袋をセンシタッチやダーマプレーンにしています。



センシタッチという手袋、手荒れなくなりました。



当院は医師も含めて手荒れするスタッフ向けに、保湿剤込みの滅菌手袋が導入されました。



「センシタッチ・プロ・アンダーグローブ」など、保湿剤が配合している滅菌手袋も!
綿手袋を着用する



綿手袋をしてその上から器械出しをしていました!
通常の手袋も綿手袋の上からしていました!



原因が手洗いか手袋かにもよりますが、手袋なら綿手袋をしています。
寝る時も薬などと綿手袋で。



手荒れの酷い後輩の子用に、綿手袋+アルコールフリーの消毒を置いてあります。



私は中材ですが、手荒れスタッフ用に病院側から綿手袋の滅菌依頼がありました!
ゴム手袋の下に付けます。



私も滅菌の綿手袋をはめてから滅菌手袋を装着していました。
結紮が多い術式や小さな針を扱う場合には、指先をカットした綿手袋を使ってました。
手術時手洗いの方法を変える



先輩で乾燥性手指消毒法をやっている方がいました。



手術室勤務から感染管理認定看護師を取得し働いています。
まずはアルコール無しで手洗いですかね。
手術時手洗いの消毒薬を変える



肌に優しい石鹸と荒れにくいアルコール消毒薬を採用しています。
製品名は覚えておらず、職場に行けばわかります。
手荒れ具合によると思いますが、荒れている程度なら器械出しに入っていますが、切れるなど傷があると外回りをするように指導しています。
器械出しが終わったら手洗いして保湿するように促したりしています。
医療用の保湿剤を常に使用したり、プライベートでも保湿に気をつけてもらっています。
手袋は合う物がなかったら綿手袋ですね!



洗い方や消毒剤の使用方法は変えず、消毒剤が完全に乾くまで手袋を履かないことを徹底!
手袋種類は要検討。
元々使っていたピンク (名前が出てこない…) の洗剤からポピヨドンスクラブに変えたらましになりました。



アルコールもノンアルの手指消毒薬を使っていました。



私は、マスキンスクラブだと荒れるけど、ポピヨドンスクラブだと大丈夫でした!
外回り中心にする



荒れている間は外回りだけにして、治ってきたら週何回だけとか器械出しの回数を決めていました。



手荒れするという理由で外回り専属の先輩がいます!



手荒れがひどい子は基本手洗いはさせていないです。
外回りメインで頑張ってもらうといいと思います。



対策ではないですが、新人で手荒れして11年間外回りのみ。
そんな道を残してくださった看護長に感謝。



手荒れがひどい先輩方は酷くなった時のみ外回り中心でやるようにしているみたいです!



私自身アトピーなどがあり、苦しみました。
オペ室勤務ですが、13年ほど手洗いしていませんでした。



対策しても、体質によってはどうしても手荒れしてしまう方もいますからね…。
ハンドケアを頑張る



私も敏感肌+アルコールで派手に荒れるタイプで…
ひたすら病院が置いてくれているローションと自前のクリームも塗り、帰宅してからは寝る前にもせっせとハンドケアしていました。



WOCナースに相談してハンドクリームなど皮膚ケアを聞く。
あとは皮膚科受診で医師の指示を聞く。
部署を異動する



綿手袋NGで皮膚科で治療しても改善しない場合は、残念ながら異動です…
緊急対応できないので。



悔しいですが…
これは、施設のルールによりますよね。
EOG滅菌の術衣も原因になる…?



泡ハンドソープ、プラスチック手袋をしてから術衣を着てアウター手袋をする。
術衣の袖でも肌荒れする子がいます。
ノンラテ手袋でも合う合わないがあるし、汗腺が詰まって手荒れする子もいるし、大きな課題ですね。
認定看護師さんによると、EOG滅菌の術衣の可能性もあるかと言われました。



EOG滅菌の術衣の残留ガスが皮膚トラブルの一因になりうる…
ってことかな。
おわりに
「自分だけじゃなかった!」と感じた方も多いのではないでしょうか。
手荒れのつらさは、経験した人にしか分からないですよね。
原因も対策も、人によって全く異なります。
手袋の素材・手洗いの方法・消毒剤の種類・保湿のタイミング…試行錯誤の連続ですが、一人で抱え込まず、先輩や感染管理認定看護師、皮膚科の医師など、周りに相談しながらいろいろ試してみてください。
みなさんの回答を見ると、外回り中心でキャリアを積んだ先輩たちも、たくさんいます。
自分の体を大切にしながら、長く働き続けられるといいですよね…!


















