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しゅがー
手術室看護師
准看護師3年(療養病棟)
正看護師6年(手術室)

【資格】
・正看護師
・YMAA認証マーク取得
・KTAA認証マーク取得

【Instagram】
🌸メディカ出版│月刊誌「オペナーシング」にエッセイ連載
🌸メディカ出版│学び方を学ぶ、選択肢を増やす「メディカLIBRARY」にエッセイ連載
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奨学金返済を理由に転職できない?立て替え制度とは?【手術室看護師のお礼奉公】

憧れの看護師になれたのはいいけど、どうしても苦手な先輩が…
頑張ってるつもりなんだけど、しんどい…
奨学金の返済もあるし、辛いけど我慢しないといけないのかな…?

そんなことはありません!
今回は奨学金の立て替え制度のある病院を探して転職するコツを、私の体験を交えてお伝えしていきます。

もくじ

看護師のお礼奉公とは

まずは奨学金について

学生って結構お金かかりますよね…。
学費に食費、生活費、遊びにだって使いたい!親が全額出してくれる家庭もあるかもしれませんが、そうではない家庭が多いと思います。
アルバイトで賄おうにも、勉強が忙しかったり実習が始まったりすると続けることは困難です。
そんな時に真っ先に浮かぶのが奨学金です。

私や周りの友人も借りてたよ~!

看護師を目指す人には返さなくていい奨学金がある?

そんな学びたい学生を救う奨学金ですが、看護師を目指す学生には返さなくていい奨学金があります。
それが病院が用意している奨学金制度です。
もちろん条件があって、看護師資格取得後に借りた病院で数年間働く必要があります。
これが通称お礼奉公と呼ばれているもので、期間は3年程度が多いです。

私は5万円/月×3年間=180万円借りて、卒業後3年間働くという条件だったよ

お礼奉公は途中でやめられる?

一見するとかなりいい条件の病院が用意している奨学金制度ですが、デメリットもあります。
それは卒業した後に必ず数年間は働かないといけないことです。

万が一ブラックだったら…
人間関係が合わなかったら…
結婚・妊娠して続けられなくなったら…

こういった不安が付きまといます。
心配しなくてもお礼奉公中に病院を辞めること自体はできます。
ただしその場合借りていた奨学金は一括返済になる場合が多いです。

退職交渉時に強い引き止めや高額な違約金・賠償金などを請求される場合もあるようです。この場合は労働基準法に抵触している可能性が高いので、労働基準監督署に相談しましょう。

病院の奨学金制度を使う場合、病院選びは慎重に!

奨学金があることで悩んだ私の体験談

療養病棟中心の病院(A病院)から奨学金を借りて学校へ

私には高校卒業後に手に職をつけようと思って取得した准看護師の資格がありました。
准看護師と正看護師では業務内容がほぼ変わらないにも関わらず、給料は全然違います。
そこで私はA病院に勤務しながら、正看護師を取得するための高等看護学校に通いました。

仕事をしながらの学生生活はとても大変なものでした。
1日のタイムスケジュールは7:00~12:30仕事、13:00~16:30授業、PM17:00~19:30再び仕事、20:00~学校の課題や自宅での仕事と今思い出してもかなりハードワーク…。
睡眠時間3時間が続く日も普通にありました。

私はこのA病院から180万円の奨学金を利子なしで借りており、学費や生活費の補填に使っていました。
A病院は学校との系列でもあったため、お金のことを考えると選択肢がありませんでした。

働きながらの勉強はハードでした…

実習で気づいた急性期病院の魅力

そんなハードワークも3年目に突入すると病院実習が始まります。
病院実習では今まで働いていた療養病棟だけでなく、精神科病棟・外科病棟など様々な診療科・病棟で実践を通して学ぶことになります。
実習が始まる前の私は卒業後も「A病院で働いて、3年間お礼奉公しよう」そう思っていました。

そんな私に転機が訪れました!

病院実習で様々な病棟を経験する中で、「急性期病院のスピード感かっこいい!」そう思うようになりました。
A病院は療養病棟がある回復期リハビリテーションが中心の病院であったため、比較的病状が安定している患者様が在宅で生活できるようにサポートをしていくことが主な業務でした。

もちろん人によって向き・不向きや好みがあると思います。
私の場合は、人の生命に直結し、命を救う業務に携われる急性期病院に魅力を感じるようになりました。

先輩が厳しい、しんどい…

療養病棟の先輩方は厳しく、毎日怒られてばかり…。
そのうち「患者さんのための看護」ではなく「怒られないための看護」をするようになってしましました。
そんな自分も嫌で、自己嫌悪…
しんどくて、もう消えてしましたいと思っていました。

しかし私はA病院から奨学金を借りており、お礼奉公をしなければ180万円を一括返済する必要がありました。

180万円一括返済はきつい…

私の体験談を踏まえた奨学金の立て替え制度がある病院の探し方

奨学金の立て替え制度とは

A病院から借りている奨学金があるけど、どうしても急性期病院で働きたくなった私は何か方法がないかと調べました。
情報収集を行う中で、高等看護学校の先生から「奨学金の立て替え制度」というものがあることを教えてもらいました。
これは病院が奨学金の返済を立て替えてくれる制度です。

「それだ!」と思って奨学金の立て替え制度がある病院の情報収集を行っていきました。

立て替え制度のある病院を探しても中々見つからない…

奨学金の立て替え制度がある病院に関する情報収集を行っていきましたが、行っている病院は少なく、先輩や学校からの情報だけでは中々見つかりません。
奨学金の立て替え自体が、引き抜きにあたる可能性があり大々的に募集しづらい背景もあるようなので、病院に直接電話し、立て替え制度がないか確認したり交渉したりしました。

A病院での仕事に学業・国家試験勉強も行いながらの就職活動はメンタルを擦り減らしました。
時間も約6か月ほどかかり、何とか奨学金立て替え制度がある急性期病院のB病院に出会うことができました。

奨学金立て替え制度がある病院を約6ヶ月かけて見つけたよ!!

B病院に就職後も不安はあった

憧れの急性期B病院に就職できたことは本当に嬉しかったです!
やっぱり自分の興味がある分野でないと苦痛になりますし…。
それでもやっぱり不安はありました。
私はA病院から借りていた奨学金180万円をB病院に立て替えて貰ったのでその返済中はB病院を辞めることができない状況でした。

それが何より辛く、プレッシャーだったんです。

「働いて合わなかったらどうしよう?」
「人間関係で苦労したらどうしよう?」

そんな不安でいっぱいでした。
そういった不安からもなるべく早く返済したい思いがあったので、3年で返済する設定にしました。
毎月の給料から4万円、夏冬のボーナス時には更に4万円、3年目のボーナス時には8万円の返済をしており、年間では40万円以上の返済を行っていました。

奨学金の返済を差し引いた月々の手取りは19万円ほどだったので、生活は苦しく、遊びに行けないどころか貯金も満足にできませんでした…。

これが実際の給料明細です

今思うと、転職エージェントを活用すれば良かった

奨学金を抱えた中での転職で苦労したこと・辛かったこと

これは大きく2点あります。
まず転職活動中に感じたこととして、奨学金の立て替え制度を行っている病院を探すこと自体が難しかったことです。
立て替え制度をホームページなどに記載している病院は少ないので、直接電話して確認したり、交渉したりする必要がありました。
私はA病院で働きつつ、学業・国家試験勉強をしながらの転職活動であったため、本当に本当に大変でした。

もう1点はB病院に立て替えて貰った奨学金を返済するまではやめられないことです。
正直B病院に転職を決めた主な理由は、奨学金の立て替え制度を行っていてかつ急性期病院であったことでした。
あまりB病院の内部情報等は知らないままの転職だったので、不安だらけでした。

これらは転職エージェントを使用していれば解決していた

今になって思うことは初めから転職エージェントを活用していれば良かったということです。
担当さんは、様々な病院とのパイプがあったり、それぞれの病院の内部情報に詳しかったりします。
私も初めから活用していれば、忙しい中での奨学金の立て替え制度を行っている病院探しを担当の方に任せられたと思います。
また内部情報から離職率などが分かれば、ある程度人間関係や業務負担がどうかということも把握でき、不安は軽くなったのではないかと思います。

転職エージェントを活用するメリット

私の体験談を踏まえたメリット以外に活用をおすすめする理由はたくさんあります。

  • 書類作成時など相談に乗ってもらえる
  • 求人情報がたくさんあり、希望する分野、給料などの病院が見つかりやすい
  • 業界の内部事情を把握しており、職場の雰囲気が事前に分かる
  • 病院側との交渉をしてくれる(給与面など気になるけど聞けないことの確認ができる)

転職エージェント側も就活生側を就職させないと報酬がでないので、満足できない病院であってもとにかく就職させようとするかもしれません。
そうならないように自分がこれだけは譲れないという条件やどういった分野で働きたいかは事前に伝えておきましょう。

その後、手術室看護師になってからまた病院を変えようと思って、転職活動をした時は迷わず転職サイトを使ったよ!

奨学金の返済がきつくて転職できない方へ

「しんどいけど奨学金があってやめられない」
「奨学金がなければ他の病院で働きたい」

そう思っている方はたくさんいると思います。
奨学金返済は辛く、長い道のりになることも多いです。
私自身、高校・准看護学校・高等看護学校と全て奨学金を利用して通っており、合計500万円の返済をしてきました。
奨学金返済の大変さはわかっているつもりです。

ただ、奨学金返済は何とかなります!

でもあなたの心と身体は1つだけです。
辛い・しんどいと思っているのに働き続けて壊れてしまったら取り返しがつきません。
本当にきついときは自分の身体を休めて、ゆっくり労わってあげて下さい。
信頼できる人に相談するのも良いと思います。

私自身は転職してお礼奉公ではなく、180万円を徐々に返していく選択をしましたが、全く後悔はありません。
お金ではなくやりたいことを選んだことで、大変なこともあったけど、手術室で働けてとても楽しいです!

私のように奨学金があっても転職は可能です。
今の仕事が本当に辛いのであれば、自分の身体が壊れる前に転職を検討してみて下さい。
ぜひ自分に合う職場を見つけて下さいね。

この記事を書いた人
しゅがー

療養病棟3年(准看)→手術室6年(正看)
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「メディカLIBRARY」エッセイ連載
オペナースしゅがーの脳腫瘍日記

「NURSE LIFE MIX」NLMメイトとして記事連載中
オペ看ラボ
漫画:しゅがーは手術室にはいられない

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