手術中の体位体位の固定に欠かせないマジックベッド。
側臥位や腹臥位でも身体をしっかり支えてくれる頼もしい存在ですが、いったん硬く固めると、その面にはずっと圧がかかり続けます。
とくに数時間におよぶ長時間手術では、皮膚や組織への圧迫が無視できません。
ここで出てくるのが「除圧」です。
とはいえ、教科書に「これが正解」と書いてあるわけでもなく、実際のやり方は病院や先生によってかなりバラバラ。新人のころは「みんなどうやって除圧してるんだろう?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
シンプルに手を入れて圧を逃がす方法から、ソフトナースやアクションパッドなどの製品を組み合わせる方法まで、現場の工夫は本当にさまざまです。
この記事では、実際の手術室で行われているマジックベッドの除圧の工夫を、できるだけ具体的にまとめました。
自分の施設のやり方と見比べながら、「こんな手もあるんだ」という引き出しを増やすつもりで読んでみてください。
この記事は、筆者のInstagramのストーリーズに設置した質問BOXを通じて、フォロワーさんから寄せられたリアルな声やDMのコメントをもとに作成しています。実際の現場での工夫や体験談をご紹介していますが、あくまで一例であり、情報によって生じた不利益・損害等については一切の責任を負いかねますので、予めご了承ください。

自著
総合医学社「オペ看ノート」
マジックベッド(陰圧式固定具)とは?

マジックベッドとは、手術中の体位を安定して保持するために使われる固定具です。
仕組みはシンプルで、袋の中には細かいビーズが詰められており、吸引で内部の空気を吸い出す(=陰圧をかける)と、ビーズ同士がぎゅっと密着して一気に硬くなります。
空気が入った状態ではやわらかく自由に形を変えられるので、患者の体格や術式に合わせて思いどおりの形をつくり、そのまま空気を抜けば形を保ったまま固定できます。
この「やわらかい→硬い」の切り替えこそが、マジックベッドの最大の特徴です。
主に側臥位や腹臥位など、体がずれやすい体位で活躍します。
身体のラインに沿ってフィットするため、一点に力が集中せず、面で支えられるのが大きなメリット。
一方で、いったん硬く固まると、その部分には圧が持続的にかかり続けます。
特に長時間の手術では皮膚や組織への圧迫が問題になりやすく、だからこそ「除圧」の視点が欠かせません。
ハグユーバック(HUG-U-VAC)
ハグユーバック(HUG-U-VAC)も、マジックベッドと同じ陰圧式の体位固定具です。


昔はマジックベッドでしたが、今はハグユーバックというものに変わりました!!



HUG-U-VACを使ってます。



マジックベッドの代わりにハグユーバックを使ってます。
マジックベッドの除圧方法



皆さんは、マジックベッドの除圧ってどうしてるのかなぁ…
って気になりました。
マジックベッドの除圧の工夫は病院や先生によってさまざまで、シンプルに手を入れて調整する方法から、ソフトナースやアクションパッドなど幅広く使われています。
実際の現場で実践されている除圧の工夫をまとめてご紹介します。
手を入れて除圧する
最もシンプルな方法が「直接手を入れて圧を逃がす」やり方です。
時間を決めて実践している方も多くいました。



2から3時間おきに手を入れて除圧してます!



30分ごとに必ず手を入れたりして除圧してます。
体位固定用ウレタンフォームを使用する
ソフトナース





マジックベッドの上にマジックベッドより一回り大きい馬鹿でかソフトナース使用。



マジックベッドの上に大きなソフトナースでベッドをつくってます!



私のところもマジックベッド用にソフトナースを用意していました。
ピュアフィックス
長時間手術では、マジックベッドの上にピュアフィックスを敷いて安定性を高めているという声がありました。





マジックベッド→ソフトナース→ピュアフィックスでプラスで長時間のときだけアレビンライフ貼付してズレ予防してます!



ピュアフィックス敷いてサイドには専用のピンクソフトナースをあててます。
アクションパッドを使用する
アクトンドライポリマーという特殊素材を使用しており、体重を均等に分散させて圧迫を和らげます。





砕石位の時はマジックベッド→アクションパッドで使ってます。



アクションパッドを入れてます!



ミニサイズのアクションパッド、便利ですよね!
その他の除圧方法



Drから許可もらって術前にネピレックスを骨突出部や後発部位に貼らせてもらってました。



ソフトナース使ってます!
イエローピンクのイエローを当たるようにして!
その上にベアハガ敷いて。



うちのところはマジックベッドと体の間にふわふわのゴアテックシーツを敷いてます。



薄めのムートンラグを敷いたりしてます!



骨突出部はパーミロール貼付、そのまま寝て固定の時にソフトナースを隙間に詰め詰めしてました。



私のところはマジックベッドをあらかじめ敷いているので入室時は軽く吸引してやや硬めにしてます。
おわりに
マジックベッドの除圧について、現場で実践されているさまざまな工夫を見てきました。
時間を決めて手を入れるシンプルな方法、ソフトナースやピュアフィックスを重ねて圧を分散させる方法、アクションパッドのような専用素材を使う方法、ドレッシング材を骨突出部に貼る方法。
こうして並べてみると、本当に施設ごとに千差万別だとわかります。
どれが唯一の正解というわけではなく、術式・手術時間・患者さんの体格、そして使える物品によって、適した方法は変わってきます。
大切なのは、「圧がかかり続けている場所がある」と意識して、自分の施設でできる範囲の対策を組み合わせていくことだと思います。
今回の内容が、除圧の引き出しのひとつにしてもらえたらうれしいです。

















